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2024.12.01

日本の生命保険募集人制度の始まりとその後の募集人人口の推移

私たちは、何気なく生命保険会社や保険代理店に入社すると生命保険募集人のライセンスを獲得して保険営業を始めますが、この制度は一体いつから始まったのでしょうか。また、保険募集人の人口はどのように推移してきたのでしょうか。
今回はそんな日本の生命保険募集人制度の始まりとその後の募集人人口の推移についてお伝えします。

【目次】
1.生命保険募集人制度の始まり
2.生命保険募集人人口の推移
3.今回のまとめ

生命保険募集人制度の始まり

日本における生命保険募集人制度の起源は、1881年(明治14年)に設立された「日本生命保険会社」(現・日本生命保険相互会社)の活動にあります。当時、生命保険業界はまだ未発達であり、生命保険に加入すること自体が一般的ではなかったため、保険商品の知識や加入メリットを一般の人々に理解してもらうために、生命保険の販売を専門に行う「募集人」の役割が生まれました。
特に戦後の高度経済成長期(1950年代後半から1970年代)にかけては、家族や生活を保障する生命保険のニーズが増え、生命保険募集人の数も急増しました。この期間中、生命保険会社は積極的に人材を採用し、家庭訪問を通じて保険商品の勧誘や契約を行う「外勤募集人」が広まりました。

生命保険募集人人口の推移

日本の生命保険募集人の人口は、以下のように推移してきました。

【戦後から高度経済成長期(1950~1970年代)】
この時期は日本の経済が急速に発展し、保険の重要性が増したため、生命保険募集人の数は急激に増加しました。大手生命保険会社の全国的な拡大に伴い、多くの募集人が採用され、家庭を訪問して保険商品の説明や勧誘を行いました。

【1980~1990年代のバブル経済期】
日本経済がバブル期を迎え、保険需要もピークを迎えたため、募集人の数もさらに増加しました。この時期には、専業の募集人に加え、代理店形態や兼業募集人も増加し、多様な販売チャネルが整備されました。

【2000年代のリストラと人口減少】
1990年代のバブル崩壊後、保険業界は再編が進み、経営効率化の一環として生命保険募集人の数が削減されました。2000年代以降は、生命保険業界では営業職員の役割が縮小し、保険代理店やインターネットを通じた販売が拡大したことに加え、少子高齢化に伴う人口減少もあり募集人人口は減少傾向にあります。

【現在の動向】
2020年代においては、オンラインでの非対面販売が進展し、生命保険募集人の数はさらに減少しています。対面営業の需要はまだある一方、AIやデジタル技術を活用したカスタマーサポートが進むため、募集人の役割も従来とは異なり、コンサルティングを重視した専門性が求められる傾向にあります。

 

今回のまとめ

日本における生命保険募集人制度は、デジタル技術や人口動態の変化に合わせて進化してきました。今後もこうした文化的な背景を受けて変化していくと考えられますが、少子高齢化とデジタル化という二つの波に押されて、生命保険募集人の絶対すうは減少していくものと予想されます。