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2024.09.20

保険代理店はスーパー営業マンのような優秀な人間だけが欲しいのか?

保険代理店で働くにあたり、雇用という形ではなく、個人事業主として事業所得(報酬)を受け取って働くケースが多いと思います。いわゆるフルコミッションというものです。

どんどん契約をとってきてくれるスーパー営業マンが入社してくれれば、会社の収入は増えますし、契約件数が増えれば保険会社との交渉もしやすくなります。そのため、保険代理店は、スーパー営業マンをたくさん雇用したいんだろうと考えている方が多いと思いますが、果たして本当にそうでしょうか。

今回は、保険代理店はスーパー営業マンのような優秀な人間だけが欲しいのか?について考えてみます。

【目次】
1.フルコミッションの保険代理店の報酬事情
2.保険代理店はスーパー営業マンが欲しいのか
3.今回のまとめ

フルコミッションの保険代理店の報酬事情

フルコミッションの保険代理店では、募集人自身が見込客を探し、保険契約を獲得できレバその分報酬がもらえますし、獲得できなければ報酬が払われないというリスクも負う。まさに個人事業主であり、同時に経営者としてのマインドが求められる世界であり、リスクと同時に大きなチャンスがある世界です。

保険代理店側は、たくさん保険契約を獲得してくる募集人にはそれに比例して報酬を支払いますが、成績が悪い募集人には報酬を払う必要がないため、P/L上の販管費が膨らみすぎて業績を圧迫するという事態がなくなります。また、どれだけ高額な報酬を支払っても、保険代理店側は外注費として経理処理するため社会保険料等がかかりません。

このように、募集人と保険代理店双方にメリットがあるため、現在の保険代理店業界では広くフルコミッション形態が採用されています。

保険代理店はスーパー営業マンが欲しいのか

上述のような完全歩合制の職種である保険営業でも、完全に自由というわけではなく、保険代理店は組織感のようなものを求めてきます。

募集人は、個人事業主でもありますが保険代理店の看板を背負って営業活動を行うため、一人がコンプラ事故を起こすと、他の数百人の手数料ランク(=収入)が下がり、保険代理店全体の売上高も同時に一気に下がってしまいます。また、汚い言い方をすれば、保険代理店は手数料をピンハネすることがメインの売上であり、本来しなくても良いコンプラ対応を行うことで、それがそのまま余分なコストとしてP/Lを圧迫します。

そのため、保険代理店の正直な思いとしては、保険をバリバリ売れるが危険な募集人より、そこそこの成績でも安全な人を増やしたいのが本心なのです。

今回のまとめ

保険代理店からすれば、真面目でかつ営業も完璧にこなす募集人が理想ですが、実際のところなかなかそうはいかず、営業成績とリスクが正比例することの方が多い状況です。

そのため、スーパー営業マンだけでなく、さまざまな募集人を集め、組織全体としてのリスクポートフォリオを組みたいというところが本音だと思います。